理研シンポジウム
生体形状の数値化及びデータベース構築研究
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理化学研究所では、2003年4月より生体形状情報の数値化及びデータベース構築研究を開始いたしました。この研究プロジェクトでは、生物の形の情報を数値化(ディジタル化)して比較検討可能なシステムを構築することを目的としています。この研究により、生体情報の取得、数値化、蓄積を計り、サイエンスの分野で用いられる標準データを作成することや、様々な生物の構造データを蓄積してデータベースの構築を行う事を目指しています。このデータベースにより、計算科学に資する生物の実形状や、従来から形状を対象に進められてきた解剖学に新しい道を開くことができると考えています。また、広義のバイオインフォマティクスに関する研究として、表現形と遺伝情報の関係についての新たな道筋を開くことを視野に入れています。 今回、プロジェクト開始からの2年間にて検討を進めてきたシステムの概要、個別研究につきましてのシンポジュウムを執り行います。 また、招待講演として、我が国のバイオリソース事業に携わっておられる理化学研究所バイオリソースセンター実験動物開発室吉木室長に「マウスリソースにおける形態情報の整備状況」と題してご講演いただきます。さらに、長年に渡り「生物の形と数理」について研究を進められてきた兵庫大学の本多先生に「生物の形とモデル化」についてご講演いただく予定です。 皆様方からのご意見、ディスカッションをいただきたいと考えております。 多数の参加をお待ちしております。
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プログラム
2005年3月9日(火)
独立行政法人理化学研究所:鈴木梅太郎ホール
開会の挨拶(10:00)理化学研究所 生体力学シミュレーション特別研究ユニットリーダー 姫野龍太郎
10:05〜10:45 生体形状情報の数値化及びデータベース構築研究
横田秀夫(理研)、姫野龍太郎 (理研)
10:45〜11:10 マウス3次元データベースの作成と観察
覚正信徳(理研)、横田秀夫(理研)、姫野龍太郎(理研)
11:10〜11:35 3次元内部構造顕微鏡を用いたマウス脳血管形状取得の検討
中村佐紀子(理研)、横田秀夫(理研)、西村将臣(理研)、姫野龍太郎(理研)
11:35〜12:00 精密加工装置を用いた生体試料内部構造の観察
古城直道(東京大学)、横田秀夫(理研)、中村佐紀子(理研)、山形豊(理研)、大森整(理研)、姫野龍太郎(理研)、樋口俊郎(東京大学)、
昼食(12:00〜13:00)
13:00〜13:25 多重蛍光における分光スペクトルからの色素濃度関数の推定
森下壮一郎(埼玉大学・理研)、横田秀夫(理研)、橋口博樹(埼玉大学)、姫野龍太郎(理研)、三島健稔(埼玉大学・理研)
13:25〜13:50 フルカラー生体連続断面画像からの自動組織抽出法の検討−ウマ卵巣内部の可視化の試み−
竹本智子(埼玉大学・理研)、横田秀夫(理研)、平野悠子(帯畜大)、中村佐紀子(理研) 、木村順平(日大)、南保泰雄(JRA日高)、津曲茂久 (日大)、三宅陽一(帯畜大)、姫野龍太郎(理研)、三島健稔(埼玉大学・理研)
13:50〜14:15 カラーヒストグラムを利用したフルカラー連続生体断面画像からの抽出法の検討
本多英晴(明治大学)、横田秀夫(理研)、姫野龍太郎(理研)、大竹政光(明治大学)
14:15〜14:40 オンライン線形判別分析による領域抽出
中島佳奈子(埼玉大学),平岡 和幸(埼玉大学),横田 秀夫(理研) , 姫野 龍太郎(理研・埼玉大学), 三島 健稔(埼玉大学・理研)
休憩(14:40〜15:00)
15:00〜15:25 血管形状記述のための枝ベース木構造モデル構築
小林大祐(埼玉大学)、横田秀夫(理研)、森下壮一郎(埼玉大学・理研)、姫野龍太郎(理研・埼玉大学)、三島健念(埼玉大学・理研)
15:25〜15:50 三角形メッシュモデルの離散的幾何特徴量を用いた類似度検索手法の生体形状への応用可能性に関する考察
三谷純(理研)
招待講演
15:50〜16:20 マウスリソースにおける形態情報の整備状況
理化学研究所バイオリソースセンターリソース基盤開発部・実験動物開発室室長 吉木淳
目加田和之(理研)、太田聡史(理研)、森脇和郎(理研)、小幡裕一(理研)
16:20〜 生物の形のモデル化
兵庫大学健康科学部教授 本多久夫
閉会の挨拶(17:45) 理化学研究所 生体力学シミュレーション特別研究ユニットリーダー 姫野龍太郎
3次元内部構造顕微鏡見学会
懇親会(18:00〜20:00)広沢クラブ