1999年理研シンポジウム
生体力学シミュレーション

開催日時 : 1999年7月1日(木曜日) 10時00分〜17時00分
1999年7月2日(金曜日) 10時00分〜17時00分
場所 : 理化学研究所 和光本所内 鈴木梅太郎記念ホール
主催 : 理化学研究所(素形材工学研究室・計算科学技術推進室・情報環境室・工学基盤研究部)
参加費 : シンポジウム;無料(含テキスト) 懇親会;3000円
シンポジウム概要
理化学研究所では今年度から5年計画で新しく「生体力学シミュレーション研究プロジェクト」を開始する。
本シンポジウムは、プロジェクトの開始にあたり、理化学研究所内外の関連分野の方々に集まっていただき、討論を通じて新しい研究分野を開拓するための道筋を探ることを意図している。
生体力学シミュレーション研究が目指すのは、生体の構造と機能について、厳密な力学モデルをつくりあげ、それから得られる複雑で大規模な方程式を高速度で解き、その結果を見たり、感じたりすることが可能な統合システムを開発することである。このシステムにより、疾病や障害の過程を目に見える形で捕らえ、高度な診断のための基礎を提供したり、新しい治療手段の開発あるいはその適用の可否の事前の判断などを、患者に負担をかけることなく計算機上で実行することができるようになることが期待される。また、生体の複雑な運動動作のシミュレーションを行うことにより、スポーツ工学やリハビリテーションのための新しい手法を提供することも可能となろう。
本研究で開発しようとしている生体力学シミュレーションシステムの重要な点は、一般的な人体の器官や組織を対象にするだけでなく、個人個人の器官や組織の形態・機能をモデリングすることに重点を置いていることで、この目的のために、ディジタイジング手法や3次元形状モデリング手法の開発、生体組織の力学データ取得手法の確立なども大切な課題となっている。

多くの方々の参加を期待いたします。

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●プログラム
7月1日------------------------------------------------------------------------
開会の挨拶(10:00-10:10)
生体力学シミュレーション研究の目指すもの
牧野内 昭武(理化学研究所)
1.生体構造・形状のディジタイジング、モデリング(10:10-12:50)

(1) 3次元内部構造顕微鏡を用いた生体の3次元ディジタイジング
樋口 俊郎(東京大学工学部、理化学研究所)、横田 秀夫(理化学研究所)
(2) 機能観察型生体3次元ディジタイザ(蛍光観察型3次元内部構造顕微鏡)
横田 秀夫、山形 豊(理化学研究所)、樋口 俊郎(東京大学工学部、理化学研究所)
(3) 3次元内部構造顕微鏡による豚眼球の観察とディジタイズ
川口 龍平(東邦大学医学部、理化学研究所)、横田 秀夫、山形 豊、牧野内 昭武(理化学研究所)、
樋口 俊郎(東京大学工学部、理化学研究所)、矢部 比呂夫(東邦大学医学部、理化学研究所)
休憩(11:40-11:50)
(4) 医療における3次元形状モデリングと光造形技術の応用
山田 眞次郎、 下村 克則(株式会社インクス)
(5) 生体力学シミュレーションのための3次元幾何形状処理
金井 崇、(理化学研究所)、鈴木 宏正(東京大学工学部)、加瀬 究(理化学研究所)
休憩(12:50-13:50)
2.器官・組織の適応、損傷、治療過程のシミュレーション(13:50-16:30)

(1) 骨リモデリングの計算バイオメカニクス(階層的モデルとその応用)
安達 泰治(神戸大学工学部、理化学研究所)、坪田 健一(神戸大学大学院自然科学研究科、理化学研究所)、冨田 佳宏(神戸大学工学部、理化学研究所)
(2) マイクロCTデジタルイメージを用いた骨梁構造の三次元モデルと再構築シミュレーション
坪田 健一(神戸大学大学院自然科学研究科、理化学研究所)、安達 泰治、冨田 佳宏(神戸大学工学部、理化学研究所)
(3) 眼球シミュレーション
矢部 比呂夫(東邦大学医学部、理化学研究所)
休憩(15:10-15:30)
(4) 眼球の網膜剥離手術過程のFEMシミュレーション
孫 智剛、牧野内 昭武(理化学研究所)
(5) 動的陽解法FEMによる生体硬・軟構造の衝突損傷解析
平田 忍(理化学研究所)、仲町 英治(大阪工業大学工学部、理化学研究所)
懇親会(17:00-19:00)

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7月2日------------------------------------------------------------------------
3.循環器系のシミュレーション1(10:00-12:00)

(1) 循環器系計算力学シミュレーションのインパクト
山口 隆美(名古屋工業大学、理化学研究所)
(2) 脳動脈瘤治療用離脱式ガイドワイヤーの表面改質と実験的考察
鈴木 嘉昭、中尾 愛子、岩木 正哉、貝原 真(理化学研究所)
中島 博、金子 三蔵(帝京大学医学部)
黒飛 紀美、森本 展行、塚本 恒世(東京理科大学理学部)
村山雄一、Ferunando Vinuela(UCLA)
(3) 医療用測定器からのモデリングと内皮細胞近傍の流れの計測
谷下 一夫(慶応大学理工学部、理化学研究所)
(4) 動脈硬化の局在化メカニズムおよび冠循環の医用工学的解析
梶谷 文彦(川崎医科大学、理化学研究所)
昼食(12:00-13:00)
循環器系のシミュレーション2(13:00-15:30)
(1) MRIによる血流イメージングと流速の測定
増田 善昭(千葉大学医学部)
(2) 血管の能動的力学特性を考慮した計算力学シミュレーション
山田 宏(名古屋大学 大学院工学研究科)
(3) 粥状動脈硬化症の発症メカニズムと血流-血管壁物質輸送の計算流体力学シミュレーション
和田 成生 , 狩野 猛(北海道大学 電子科学研究所)
(4) 血管の弾性と拍動を考慮した3次元血流シミュレーション
劉 浩(理化学研究所、名古屋工業大学)
(5) 循環器系シミュレーションに適した数値計算法の検討
姫野 龍太郎(理化学研究所)、小野 謙二(日産自動車(株))
休憩(15:30-15:50)
4.運動系のシミュレーション(15:50-16:20)

(1) 筋骨格系を用いた動作の生成・変形
幸村 琢(東京大学理学系研究科、理化学研究所)、戎崎 俊一(理化学研究所)
閉会の挨拶(16:20-16:30)
理研における生命現象シミュレーション研究の全体像
戎崎 俊一(理化学研究所)

●お問い合わせ先(内容)


理化学研究所 情報環境室(姫野)
Tel 048-467-9321
Fax 048-462-4634
E-mail himeno@postman.riken.go.jp
参加申し込み:氏名、所属、電話番号、参加人数、懇親会出席人数等をご明記の上、
上記FaxまたはE-mailにてお申し込み下さい。

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